VR映像でOJT教育に近い実践的な新人教育や安全教育を実現
本活用例のポイント
- 人員の入れ替わりが多い現場の新人教育にVRを活用してベテラン従業員の教育負荷を低減
- 既存の作業手順書の内容をVR教材化し、教育を効率化
- 外国人の新人教育のために、多言語対応したVR教材を制作
当社のorishia VR-learning(以下、VR-learning)でVRコンテンツを内製化し、現場業務に生かす取り組みを紹介する本コラム。今回は、経験の浅い新人作業者への教育などにVR教材を活用しているケースを紹介します。
人の入れ替わりが多い現場の新人教育が課題に
業界や事業内容によっては、現場で作業する人員の入れ替わりが激しい企業もあります。例えば製造業で、ライフサイクルが早く、生産数量の変動が大きい製品を手掛けているなどの場合、状況に応じて現場の人員を増減させなければならないケースもあるでしょう。
人の入れ替わりが頻繁な企業では、新規に採用した人材をすぐに現場の作業で活躍できるようにする、新人教育が重要です。教育は、OJTはもちろん、作業手順書や動画などを用いて行われますが、教える側が伝えきれなかったり、教わる側の理解度が良くなかったりと簡単にいかないこともあります。
もちろん、きちんと理解できていない状態で作業に当たれば、品質低下はもちろん、事故につながる可能性もあるため、ある程度の時間を費やし、じっくり教える必要があります。
しかし多くの場合、この新人教育を担うのは一定以上の熟練度を持つ従業員です。現場での業務に詳しい彼らが教育に時間を取られれば、その分だけ現場で作業できる時間が減ってしまいます。新人教育には、そうした見えにくいコストも含まれています。
また、近年では日本の労働人口が減少し続けており、製造業などの現場では人手不足が深刻な問題となっています。その対策として、外国人労働者を採用するケースも増えてきましたが、現場の戦力となるまでには、コミュニケーションの壁に直面することが少なくありません。
日本語を学んで日常会話などはできていても、現場で使われる専門用語までは分からないというケースも考えられます。そうした人材を、安全・確実な作業ができるようにいかに素早く育成できるかが大きな課題となります。
既存の紙のマニュアルをVR教材化。多言語対応版も制作
こうした課題の解決策として、自社が標準としてきた作業手順書を元に、VR教材を制作して活用する方法があります。例えば、金属加工を手掛けるある製造業では、VR教材の教育効果に着目してVR-learningを採用。生産技術部門の2名が通常業務の合間にVR教材の制作を手掛け、ほぼ毎週のように新たな教材を作って活用しています。
この会社では以前から、自社の現場における作業を標準手順書として文書化し、新人教育に用いてきました。これを元に、現場で作業の様子を再現しつつ360度動画を撮影し、他の素材とも組み合わせて編集しながら、VR教材を作っています。
また新人教育だけでなく、安全教育の教材もVR-learningで制作しています。例えばフォークリフト作業における危険を伝える教材に、車両のドライブレコーダーで記録した実際の映像なども交え、リアリティを高めるなどの工夫も行っているそうです。
さらに、この会社では外国人の従業員も少なくないため、VR教育コンテンツも、それぞれの言語に合わせて制作しています。VR-learningでは、制作したコンテンツ内の文章をExcelデータに出力し、翻訳した上でVR-learningへインポートし直すだけで、別言語のコンテンツを簡単に制作できます。また、VR-learning自体のメニューも多言語対応となっており、例えば英語などへ簡単に切り替えることが可能です。これにより、さまざまな国からの人材を、ほぼネイティブに近い教材で教育できるようになります。
現場に出るまでの期間を短縮し教育担当の負担を軽減
VR-learningを活用することで、臨場感の高いVR映像でOJT教育に近い実践的な新人教育が可能になります。しかも、実際の現場で撮影したVR映像には、周囲にあるさまざまな設備や機材、他の作業者の状況も映っているため、作業手順を理解すると同時に、危険を回避するために役立つ気付きも得られるでしょう。
この企業では、熟練者が新人教育に携わる時間を削減し、教育負担を軽減することにもつながりました。同社が人の入れ替わりが多い現場であったことから、一度教育しても、その後の退職によって無駄になってしまうという課題があり、教育負担の軽減は大きな課題でした。
VR-learningによってVRコンテンツ化したことで、日本語が得意でない外国出身の作業者を採用した場合でも、比較的早く現場作業に慣れてもらえるようになるでしょう。さらに、多言語対応のVR教材コンテンツは、海外の製造拠点で事業を展開する場合にも、同様に役立ちます。日本から指導員を派遣するコストや、派遣される指導員の負担を抑えつつ、現地での迅速な生産立ち上げを実現できるはずです。
この活用例では、現在のところ単一の拠点での活用ですが、例えば複数の製造拠点を持つ企業では、こうした作業手順書のVR教材化を横展開して、より業務標準化を進めることも期待できるでしょう。新人教育だけでなく、安全教育や熟練者のノウハウ伝承など、さまざまな目的において、これらの効果が期待できます。
VR-learningの教材イメージ


ビジネスエンジニアリング株式会社
ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)は、製造業を中心に運輸・通信・金融・各種サービス業等幅広い業種にわたり、コンサルティングから、システム構築、運用・保守まで一貫したサービスをご提供し、お客様のビジネス革新を支援しております。
- 労災事故をリアルに再現して危機意識向上
- 脱マンネリ化!能動的な体験による危険予知訓練(KYT)
- 教えるのが難しい「非定常作業」をVR化。ベテラン不在でいつでもどこでも学べる環境を実現
- VR映像でOJT教育に近い実践的な新人教育や安全教育を実現
- 熟練者の作業手順や視点の可視化による技術継承への活用
- 危険疑似体験のVR教材を制作して従業員の危険回避能力を向上
- 安全を担保する作業マニュアルをVRで自社制作して効率的な安全教育を実現
- 教育機関における現場実習の補助教材としての活用
- バーチャル職場体験で求職者とのミスマッチ防止に貢献
- 業務にまつわる技能資格などのVR教材を内製化 学習効率を高めて合格率アップ
- 技能講習や資格試験学習へのVR教材の活用
- 経験の機会が少ないトラブル対応の手順をVRで教育
- VRによる実写映像を活用した身近な場所の防災教育
- 看護や介護の演習をVRで再現して実習機会の不足を補う
- ヒヤリハット活動のVR内製化で従業員が自ら危険に気づき改善策を考える環境を整備
- 多言語対応VRによる安全指導で言葉の壁を解消し外国人労働者への教育を効率化
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- 「接客の仮想体験」をVR-learningが実現、疑似OJTでスキルを効果的に習得
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