看護や介護の演習をVRで再現して実習機会の不足を補う
本活用のポイント
- シミュレータや模擬患者による演習の予習・復習ができる
- 現場特有の緊張感も伝わるリアルなVR教材で、そのシチュエーションに求められる行動を学習できる
- 多彩なシチュエーションに対応できるスキルを習得できる
当社のorishia VR-learning(以下、VR-learning)による業務課題解決ユースケースをご紹介する本コラム。今回は、医療系や福祉系などの教育における演習の課題を、VR-learningがどのように解決できるのかを解説します。
模擬的な対象による演習では、テクニカルスキルやノンテクニカルスキルを磨きにくい
看護や介護といった福祉の現場で働く人たちには、医療にまつわる専門的な知識やスキル、つまり「テクニカルスキル」の習得が求められます。そして同時に、コミュニケーションやチームワーク、リーダーシップ、状況認識を含む「ノンテクニカルスキル」も業務遂行にはきわめて重要となります。患者や介護対象者などとのコミュニケーションを伴う業務のほか、同じ職場に属するさまざまな職種の人たちと連携する必要があるためです。
もちろん、これらの職種の人材を育成する専門教育機関では、学生がテクニカルスキルやノンテクニカルスキルを身につけられるよう数々の演習・実習を行っています。しかし、時間や環境などの制約がある中で、より高いスキルの習得効果を得られるよう、その手法にも工夫が求められます。
特に演習の環境整備は大きな課題と言えるでしょう。実際の患者や介護対象者を演習における相手役とすることは現実的には困難です。さらに近年では、コロナ禍などの影響で、学生の実習を受け入れてくれる施設は以前よりさらに限られています。そのため、人体を模した人形を相手役に使ったり、学生が患者や介護対象者を演じたり、ボランティアとして模擬患者約の協力を得たりする形で演習・実習が行われています。
模擬的な対象を用いた演習は、テクニカルスキルの習得においては傷病や身体障害などを持つ相手の状態を完璧には再現できない点が、またノンテクニカルスキルを磨く上でも患者や介護対象者のリアルな反応を得られない、現場の緊張感を実感しにくいなどの点が、それぞれ課題となりがちです。また学生数に対して模擬的な対象の数は限られるため、すべての学生に平等な演習内容を提供するには限界があります。これらの点で、模擬的な対象による演習は、実践的な経験を積むうえで課題があると言えるでしょう。
リアルな経験が乏しい学生を、即戦力へ近付けられるVR教材
既存の演習を補う手法の1つとして、実写のVR教材が注目されています。実際の現場、患者や介護者を撮影した360度映像を基にした教材を制作することで、現場特有の緊張感など学生に新たな気付きを与えることができると期待されています。
特に医療や看護の分野では、学生が実習に臨む前段階として、リアルな現場の雰囲気を知ってもらうためにVR教材を用いる例が見られるようになってきました。この分野では実証研究などが盛んに行われており、VR教材を用いた場合の学生の理解度の向上といった効果の検証も進みつつあります。そして、同じように人材育成に関する課題を抱える介護や福祉分野においても、同様の効果が期待できます。
VR教材は一般的な映像教材と比べて臨場感があります。VRゴーグルで教材を視聴すると、患者や介護対象者に向き合う感覚をより強く得られることから、ノンテクニカルスキルの習得の効果が期待できます。
また360度映像では機材やその周辺の環境も再現されます。VRゴーグルを装着した学生が視点を動かすと、作業に必要な情報が確認できて実践に近い経験が得られるなど、テクニカルスキルの習得にも役立ちます。
さらに、実際の現場で行う実習とは異なり、時間が許す限り何度でもVR教材を視聴することが可能です。教材の中に盛り込まれた設問にも、失敗を恐れず回答できます。教員側がさまざまなシチュエーションを再現した教材を取り揃えておけば、学生は短期間のうちに多彩な疑似経験を積むことができるため、テクニカルスキル・ノンテクニカルスキル双方の習得効果を高められることでしょう。
もちろん、医療機関や事業所の協力を得て制作すれば、きわめて現実に近いVR教材を作ることができます。
教員・職員がVR教材を内製・編集することも容易
VR教材は制作に多額の外注費が発生するといった懸念を持つ方も多いと思いますが、VR-learningであれば撮影から教材化までの過程を内製化、つまり指導する教員や職員などが自分たちで制作することも可能です。これまで教育に動画を使っていたテーマをVR化し、より臨場感を感じられるものに作り直すといったところから始めると、より導入の効果を感じられるかもしれません。
教育、指導用途で役立つ機能としては、データの収集・分析が挙げられます。VR-learningでは、教材内に設けた選択肢の回答結果や、回答を選択するまでにかかった時間などをデータとして取得できます。これらのデータを集計・分析することで、例えば教育機関であればVR教材をテストとして用いて採点することにも使えますし、教材のわかりやすさなどの検証材料として使い、教材の改善に生かすことも可能です。

ビジネスエンジニアリング株式会社
ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)は、製造業を中心に運輸・通信・金融・各種サービス業等幅広い業種にわたり、コンサルティングから、システム構築、運用・保守まで一貫したサービスをご提供し、お客様のビジネス革新を支援しております。
- 労災事故をリアルに再現して危機意識向上
- 脱マンネリ化!能動的な体験による危険予知訓練(KYT)
- 教えるのが難しい「非定常作業」をVR化。ベテラン不在でいつでもどこでも学べる環境を実現
- VR映像でOJT教育に近い実践的な新人教育や安全教育を実現
- 熟練者の作業手順や視点の可視化による技術継承への活用
- 危険疑似体験のVR教材を制作して従業員の危険回避能力を向上
- 安全を担保する作業マニュアルをVRで自社制作して効率的な安全教育を実現
- 教育機関における現場実習の補助教材としての活用
- バーチャル職場体験で求職者とのミスマッチ防止に貢献
- 業務にまつわる技能資格などのVR教材を内製化 学習効率を高めて合格率アップ
- 技能講習や資格試験学習へのVR教材の活用
- 経験の機会が少ないトラブル対応の手順をVRで教育
- VRによる実写映像を活用した身近な場所の防災教育
- 看護や介護の演習をVRで再現して実習機会の不足を補う
- ヒヤリハット活動のVR内製化で従業員が自ら危険に気づき改善策を考える環境を整備
- 多言語対応VRによる安全指導で言葉の壁を解消し外国人労働者への教育を効率化
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